足病変のリスクが高い患者へのフットケア看護のポイント

足病変のリスクは、糖尿病を患っていたり、透析治療を行っていたり、高齢の患者が特に高く、フットケアで観察するべきポイントがそれぞれ異なります。

まず、糖尿病患者に対して重要なポイントは、「実際に見る」ということです。神経障害や網膜症を合併した場合、患者自身が異変に気付きにくくなるため、実際に看護師が見て確認することがとても大切です。傷や変形が無いか、肌の色が黒ずんだり赤くなったりしていないかなどを確認しましょう。もし異変がある場合は、患者自身に「病気によって気付けなかった」ことを説明し、フットケアの重要性を理解してもらった上で、これ以上悪化させたりくり返さないための方法を一緒に考え、指導することが必要です。

次に、透析患者に対しての重要なポイントは、「皮膚が乾燥していないか」「抹消動脈疾患を起こしていないか」について確認することです。透析患者は水分コントロールが難しく、かかとのひび割れなどを起こしやすかったり、乾燥で痒みを感じてかきむしってしまったりと、傷をつくりやすい状態です。また、血流不足も起こしやすいため足病変を起こしやすく治りにくいため、注意深い観察が必要であり、保湿の習慣づけなどフットケアによる予防の方法も説明しましょう。

最後に、高齢患者に対してですが、見るべきポイントは糖尿病患者とほぼ同じです。高齢者は加齢によって体の機能が衰え、運動の機会が減り、自分自身のケアも十分に行えないことから、足にトラブルを抱えている人が多いです。爪や足の変形に伴って歩くのが困難になり、転倒の危険性も高くなります。そのような事態にならないためにも丁寧に確認し、足に起きているトラブルを早期発見することが重要です。