フットケア看護~肥厚爪のケア

肥厚爪(ひこうづめ・ひこうそう)とは、簡単に言えば分厚くなってしまった爪のことを指します。肥厚爪になる原因の1つは、白癬菌などによる爪甲下角質増殖、つまり爪の下の角質が分厚くなることです。

もうひとつの原因は、深爪、抜爪、靴の圧迫などにより末節骨遠位部が隆起して爪の成長を妨害するパターンです。「痛くないので放置している」という患者もいますが、適切なフットケアを実施しないと、肥厚爪の下に潰瘍ができたり、靴下や寝具にひっかかり爪が割れてしまったりなど、トラブルのもとになります。

肥厚爪のフットケアとしては、削るしかありません。爪白癬などにより崩れやすく、もろくなっている爪、また、爪甲剥離や2重爪など浮いている爪の場合は爪用ニッパーを使い、爪甲表面から削ります。

硬い肥厚爪、爪甲剥離や凹凸のある爪の場合は、グラインダーが効果的です。グラインダーにはいろいろな部位に対応したアタッチメントバーもあります。グラインダーを使用すると、削る際にかなり粉が出るので専用のジェルやフットケアカバーを使用するのがおすすめです。

グラインダーを使用する場合は、爪の繊維に沿って一方向に少しずつ削ります。爪の凹凸を平面にしましょう。最後に爪の角に垂直にフレーザーをあてて角を取ります。すべて平面になったら終了です。ただし、爪甲内に出血痕がある場合、網細血管が巻き込まれている可能性があるので、点状出血痕が見えたら削るのを終了します。